プロボウラー亀井勝江のブログ

(公社)日本プロボウリング協会公認プロボウラー14期生・亀井勝江のブログです

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書くということ・・・

プロになって5年目の1986年ごろ、ほんの少しの間、デイリー・スポーツ紙の広島版に、「亀井勝江のティータイム」というコラムを書いていた。そもそものきっかけは、半月板をトレーニング中に壊して、手術をすると現役復帰は難しいスポーツライターに言われその手術を逃げ回っていた時がある。そのライターがデイリー・スポーツの記者さんだった。3ヶ月逃げ回った後、手術しかないと決断した病院のベッドで、その経緯を、お詫びをかねて手紙を出したところ、文章が書けるではないかとコラムを書くことになった。原稿を出すと、大幅修正でまるで独特の文体で有名な、艶文学作家宇野鴻一郎が書いたような文体になっていて、初回の紙上を見て大泣きしてしまった。
素人の作文だし当然のことだけれど。
  
相変わらずの作文ながら、このコラムは59回目になった。高知競馬で連敗記録更新中のハルウララの肖像を私の写真に替えたいと自己紹介したのが2004年2月号の初回だった。
ボウリングがらみで、いろいろ書きたいと始めたものの、いつもすいすいとは書けるものではなかった。最近のように、私自身にスコアが伸び悩んでいると技術論を書くにはおこがましいし。本来なら、先日終わった、「広島オープン」を書きたかったけれど、反面教師の記事にしかなれそうもないのでやめた。
ドラマや映画のDVDを見るとき、おまけが付いてくる。メイキングといわれるもの。
それ風にいわせれば今回はメイキング。
1ヶ月前に締切日がスタッフから届く。この時点で私の中で、テーマが決まっていればその日までは何も考えなくて過ごせるから楽。それでも、書き始めたら、資料不足がわかって大慌てで正確な資料を探していると、時間がせまってきて、「すみません、締め切り時間に遅れそうです」担当者にたのみこむ事になる。「はい、それは読み込み済みです」いつもの事でと言いたそうなやさしい前担当者のニシカワ氏。
締め切りぎりぎりまで、書く事が何も出てこない時がある。その時は、一番気になる事を書けば、すいすいと書き終えるけれど、それでも、伝えたいポイントが絞れない時がある。助詞の「て・に・お・は」の一文字の変更で、伝えたい事が出来たことがあるし、表題をガラリと変えたこともある。

不思議な事に、楽しい文章は楽しい事がたくさんあると書ける。
来年は、楽しさであふれるコラムになりますように。ほんと祈ります。
何はともあれ、素人の駄文にお付き合いくださっている方々への、お詫びで今年を締めくくりとします。

2008年12月号