プロボウラー亀井勝江のブログ

(公社)日本プロボウリング協会公認プロボウラー14期生・亀井勝江のブログです

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レーンコンディションを考える

ボウリング場のレーンは、現在ウッド(木)かシンセティック(合成)で作られている。
レーンには、本来はレーンの保護のためにオイルを塗布する。ウッドレーンは、木であるがゆえに摩擦係数が多く、オイルは浸み込んで変化していく。シンセティックレーンは表面硬度が高く摩擦係数が低いので、浸み込まずに変化していく。
シンセティックレーンでも、製品によって硬度の違いがあるという。
広島県内ではシンセティックでも6種類があって、硬度で分類すれば、ヒロデンボウル、グランドプリンスホテルボウリングセンターは低硬度、リネア24、ミスズボウル、国際ボールの4階、可部ボウル、ラウンドワン、福山パークレーン、松永ベイボウルは中程度、広島パークレーン、賀茂ボール、国際ボールの3階5階は高硬度の製品が使われている。因みに、長楽寺ボウル、福山キャッスルボウル、呉マリンボウル、テンポイントはウッド。
このシンセティックレーンの硬度の違いは、レーンコンディションの作り方も違ってくるし、レーンの乾き方、伸び方などの変化の仕方も違うという。この変化が、キャリーダウン、ブレークダウンという症状なんだけれど。
大会、競技に参加するようになると、この変化をすばやく読み取って攻め方を考えることがスコアメイクの重要な要素になってくる。
ゴルフもグリーンでは時間で成長していく芝とその芝目を読むというし、競馬でも馬場状態を聞いて勝負に出るというしね。
広島オープンの会場、ミスズボウルに掲示されていたレーンコンディションの図面を見ると、フラットレーンに近いスポーツコンディションだと思ったので、攻め方が難しくミスは許されないと覚悟はしていたものの、レーンの攻略がいまいちの亀井は、1ゲーム毎にレーンを移動して投球する予選で、板目でいえば3枚から23枚までレーンを探り続けたまま、8ゲームを終わった。レーンが変化していくのは感じていたから、地元の強みと持ち込んだボール10個のうち6個使っても、皆目読めなかった。今年アメリカのケーゲルトレーニングセンターで、このパターンのコンディションで投げさせられたけれど、攻略できないままだった。であれば、レーンの硬度の違いがあったとしても、我慢してスペアを拾いまくるという戦略を思いつけばよかっただろうに。
12月号のボウリングマガジンのコラム「ABSプロショップフォーラム」に“レーンメンテでの環境作りが上手いボウラーを育てると”という記事があった。
ハイスコアレーンを作るという事ではない。回転がなくても曲がってくれるレーンではなく、回転をかけないと曲がらないレーン、これで投げていると上達すると。プラス、よみ取れる学習をするには・・・。いつも同じ状況のコンディションで投げて、自分の判断ベースを作ること・・・・かな。
今、リネア24は、この判断ベースが出来るように、レーン、建物、メンテマシンなどの環境を勘案して、攻略力が付いて上手くなれるようなレーンコンディション作りをと努力しています。レーンを推理する醍醐味を・・・。よろしく!   

参考資料  ABSプロショップフォーラム  №120 (ボウリングマガジン誌掲載)


2007年12月号