プロボウラー亀井勝江のブログ

(公社)日本プロボウリング協会公認プロボウラー14期生・亀井勝江のブログです

MENU

交 遊 録  その1

先日、阿南準郎カープ監督に会った。「最近どうですか?」という話になった。
どうもこうも、このところ、最低の成績続きで、いつもなら、「成長期でしてもう少ししたら芽が出ます」というところ、いや言いたいのに、言葉が出ない。もうそろそろ芽が出てよいはずなのに、減退しているのだ。
「この人は甘いのよ」と集まってきた周りの人に言った。「練習してますと言うでしょ。
ほかの人は絶対本当のことは言わないよ。」「何もしてませんと言って、想像出来ないくらいのことをしているんだよ」「王ちゃんは、本音を言ってた方だな。反対にイチローは言わなくてすごい事をしているよ」「トーナメントでは一番年長者でしょ?」そうです。だからといって、低スコアで甘んじたくないから、新しいボウリングを求めてアメリカまでも行って改良を重ねているのに間に合わないのです、といいかけて、言葉が出なくなった。
練習量不足、トレーニング量も恥ずかしいくらいだから、間に合わないのが道理で連続日本一になったカープの選手たちを見続けた元監督の目には、パーティ服の亀井の体形をみれば、そのくらい一目瞭然のはず。その日パーティが終わるまで、会話が出来なかった。「楽天的なんだよね」と。私は、楽天家なんだと生涯で初めて思った。
阿南会長はもっと言いたそうだったけれど、100人くらいのパーティの参加者はみんな阿南会長と話をしたくて待っているのが見えたので、これ幸いと逃げ出した。    こたえたなぁ。
このパーティの名は、「基町倶楽部」。元広島市長の平岡氏が発起人で、阿南氏が会長、発足してから20年以上になる。もともと、その文字のように、広島市中区基町に関わっている人たちの情報交換の場で、飲んで食べておしゃべりをという場だった。その隣の町、白島にあるヒロシマアリーナで仕事をしていた頃、中国放送がらみでメンバーになって以来だから20年の付き合いになる。倶楽部のメンバーは雑多とはいえプロボウラーは珍しいせいか、いつも励ましてもらって、元気になるパーティなのだ。20年前といえば、私の低迷期突入の頃とはいえ、賞金を獲ったときもあったし、アメリカに行った。今年はだめです。でも1%でも優勝の可能性があれば試合に出ます、とも報告した。良いことも悪い事もみんな報告した。亀井の話を会長はいつもにこにこと最前列で聞き続けた挙句の今回の会話。「いつも元気です」の亀井の話に“喝”をいれたかったのかも。暗澹としたまま、二次会にも行かず家に帰った。明日から誰にもいわず、やるだけの事をしようと密かに心に誓ったのでした。
いつの日か優勝したら、基町倶楽部主催でこの会場、リーガロイヤルホテルでの祝賀会を夢見ていることだけは、メンバーの誰にも言っていない・・・・。
これが、楽天的だって・・・・・。


2008年8月号