プロボウラー亀井勝江のブログ

(公社)日本プロボウリング協会公認プロボウラー14期生・亀井勝江のブログです

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外づらを考える

今年5月、全米クイーンズオープンに行った時、TV決勝を観戦した。決勝に残ったのは、女子ながら、PBAのツアーに招待され出場を果たした、ケリー・クリック、今年6月日本の順位決定戦に出て2位となり、後期の日本のトーナメントの出場資格を得たウエンディ・マクファーソン、若手のスターアスベティ、・・・・・。観覧席には、PBAのパーカー・ボーン、ウオルター・レイ・ウイリアムズ達も居て決勝レーンをぐるりとかこんだ観覧席は満席で華やかながら異様な雰囲気。その全体を黒幕で覆ってあって、その外は入場制限のため入れなかった人たちが何とか立ち見でもと中をうかがっていた。私たち日本からの選手は、主催者の厚意で正面で観戦できた。その正面から見たものは、日本のトーナメントでは、見た事がない景色だった。
練習ボールの間、選手ではない男性たちがアプローチにいて、ナイロンたわし(最近ボウリング用品として発売されている)を手にして、複数のボールの表面を調整して投げさせ、決勝レーンに合うボールを彼らが見つけていたのだ。決勝は4人だから、4人。彼らは、テクニカルスタッフという。
決勝がはじまったら、消えた。
ゲームが始まったら、表面調整は出来ないのは日本も同じだけれど、日本のルールでは、控え室ですることになっていて会場では出来ない。
シニア部門の準決勝の練習ボールで、ホテルで軽く曇らせたボールを使用したものの、レーンに合わないと悔やんで投げていた。アメリカのルールを知っていたら、練習ボールのとき、もっときつくダルに出来たのに。モシカシタラ、決勝に行けたかも。
ただし、まぎらわしい行為には厳しい。
同行の酒井玲佳プロが、ドリルしたてのボールのサム(親指)をペーパーで削っていたら、すぐに注意を受けてしまい、「削らんと投げられへん」となげいていた。サンドペーパーだから、表面の調整と見られたのだ。ベベルナイフであれば良いらしい。
同じように、ゲーム中のボールのクリーナー使用も禁止。これは日本も同じ。
今年、2月の関西オープンの折、伸び悩んでいたKプロ、休憩の後、突然スコアが伸びて、決勝に飛び込んだ。「休憩時間にダルにしました」と、使用ボールの契約先のスタッフがここだけの話と教えてくれた。
複数のボールを駆使する現状では、その状況にあったボールの選択が勝敗を分ける。
そのボールもドリルをする段階で、ある程度の動き方を決める事が出来る。
出来上がった後、それを変化させ、レーンの攻略の幅を広げるのは、表面を変化させる事。それが、ダルだったり、シャイニング(光らせる)だったりする。
一度、試してみたら?但し、ボールの材質によって、真反対の結果になるので、それも加味して。


2007年9月号