プロボウラー亀井勝江のブログ

(公社)日本プロボウリング協会公認プロボウラー14期生・亀井勝江のブログです

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あ~ぁ 70%

プロになって以来、初めて「私を信じよう」と思った。30年ものプロ生活でだ。投球術もよくなっていたし、後はレーンの読みと攻略法だと、「第20回広島オープン」を控えてこれを集中的に練習したし。
レーンのオイルパターンが、45フイートとプロボウリング協会のホームページに発表された。PBAのツアーで使用される5つのオイルパターンの中で一番長い“シャーク”が43フイートだから今回のパターンは2フイート長い。“シャーク”はケーゲルトレーニングセンターで体験させられていた。それより長いとなると、イメージするのが難しかったので、45フイートにタオルを置いて、距離感を体感しながらスペアボールでスパット3番目とその内側も使ってポケットを狙う練習をした。その上、どんなパターンであれ、必ず2~3枚のあたりにオイルが乗らないことが多いので、それも想定して練習した。ボールも曲がり具合(レイアウト)を変えたボールを数種用意して、その動きも把握した。ボールの表面をサンディングする(曇らせる)のは、前日の会場での練習で決めようと。これで準備万端だと会場入りして練習すると、表面加工しなくても準備したボールで対応出来たので、この時思ったのだ。出来ることはした。後は「私を信じよう」って。
ところが、立ち直れないくらいの惨状で終った。
その痛手が消えないまま2日後に参加した、(公財)全日本ボウリング協会主催の3日間のドリルのセミナーは、その中の学習項目「ボールリアクションに与える要素」で、「ボールの素材とその表面加工が70%支配する」というデータが「広島オープン」の失敗を思い出させて、つらくて悔しいセミナーになってしまった。
スタート前にアプローチのチェックをした時「サンディングしたボールが要る」と悲鳴をあげそうになったくらいオイルが多いのが見えたのだ。スタートすると、案の定、わずかに、4枚3枚2枚に使えるラインがある。このラインも練習していたからラインにボールは乗るけど飛ばない。サンディングしたボールが欲しいと、あせりにあせっているうちに「私を信じよう!」がぶっ飛んでしまった。ビッグスコアの連発の中で、亀井だけストライクがない。そのうち投げ方も壊れたんだろう。ひどいスコアだった。
ドリルのセミナーの間、練習レーンがどうであれ、サンディング加工のボールを1個だけでも入れるべきだったとそればっかり。70%ではないか。コアデザイン、レイアウトは残りの30%でしかない。以前オイルが多いトーナメントで優勝したプロに、使用ボールとラインは?の答えが、持ち込んだボールを全部サンディングして、それらを使い切ったと。ケーゲルトレーニングセンターでも、動きが出ないポリッシュのボールをコーチがサンディングしてくれて、それが動いてピンが飛んだのを体験しているのに。
「良い学習をしたんだ」と前に進めるには、もっと時間がかかりそう。それより「私を信じて戦いました」とコメントする日ってくるのかなぁ。


2012年12月号