プロボウラー亀井勝江のブログ

(公社)日本プロボウリング協会公認プロボウラー14期生・亀井勝江のブログです

MENU

もしかして 原発は・・・・・?

先々月の「電気使用量のお知らせ」を見てびっくりした。前月と比べると、100kwh(キロワットアワー)増えている。おおよそ2000円高い。前年同月と比較しても、70kwh多い。去年、水道料金が高くて、広島はこんなに高かったっけ、と思っていたら、長い間、じわじわと漏れていたのが階下に落ちて初めて漏水だと判った事があった。水道管の劣化からとはいえ迷惑をかけたうえ、高い水道料金払い続けていたということがあって、今度は電気?と、まず、漏電だったら水道より恐ろしいと、すぐ中国電力に電話した。メーターボックスの検査で、漏電はないという。「先月比、前年同月比が大幅の上がっているのは、なぜですか?」というと「今年の外気が寒いからでしょう」という。それでも・・・・。
先月の「電気使用量のお知らせ」をみて、仰天した。
前月比、200kwhもあがっている。前年同月比100kwh以上、支払い額15000円以上。中電が値上げしたとは聞いていない。今までこんなに払ったことはないと中電に電話した。娘が結婚して家族構成も変わったし、冷蔵庫もエコ対策に変えた。こまごまと節電もしていると。前回の中電担当者の回答は納得が出来ないもう一度調べてくださいと怒った。
「漏電は心配ありません」と、面倒くさそうな前回の担当者と違って、「なぜ数値が上がったのでしょうね」と心配してくれた。それから、家電の全部の電力の流れを個々に調べるという。エアコン、テレビ、こたつ、パソコン、洗濯機、冷蔵庫、室内の電気、3つの空気清浄機。電気温水器。
エアコンつけて、コタツに入り、テレビを見ながらパソコンを使う。窓からの日差しはテレビを見るのにまぶしいからカーテンをしめる、で、室内の電気はつけている。これが、デスクワークと称する日常。
テレビ、コタツ、空気清浄機、冷蔵庫の電力の動きは微量だった。大きかったのは、エアコン、洗濯機、それに何と、2個あるリビングの電灯。
もうこれ以上電気代を払えませんといったら、電灯昼間、電灯夜間、蓄熱夜間で料金が違う契約なので、23時から8時の間に洗濯、炊飯を済ませ、8時までにエアコンで部屋を暖めて後は切る。それだけでも違いますよ。という。リビングの蛍光灯が8本入っているので抜きましょうと。こたつでぬくぬくのデスクワークは至福の時間なのに、電気代が上がったのはこれかと後ろめたかったら、エアコンを消して電灯が半分になれば問題ないと安心した。来月、前年同月くらいに下がってくれれば、7000円くらい安くなるはず。それより、外出すればもっと節電になるかも。
ボウリングだ!


2014年2月号

謹賀新年 午の年 で 競馬

以前通っていたトレーニングジムには、プロの競輪選手が多かった。その縁で競輪場に雄姿を見に行ったついでに、太ももの大きさと、乗車中の頭が低いとそれだけの選択基準で500円くらい買って、5000円ほど儲かった。
競馬となると、何を目安に買えばよいのか皆目わからない。競輪も競馬も膨大なデータを駆使し推理して買うものらしい。それに、馬だけでなく、騎手との関係もあるという。あまりにも難しいので、その後車券も馬券も買っていない。
その馬券買の気になる材料のひとつとして、競馬のサラブレッドは非常にデリケートだと、書いてあるのを見つけた。
新人戦らしいレースで、そのサラブレッドはトップを走っていて、自分の影におびえて2回もジャンプをしたという。騎手は影が見えるトップからあえて2番手に下がったけれど、結果は2番手どころか10着だった。
もうひとつのサラブレッド。レースが近付くとそれを察してカイバが実にならず、体重が減ってしまうとあった。ただ、レース慣れして、図太さが出てきたら充分勝てる馬なのだそうだ。
牝馬杯」、失礼しました。女子プロのトーナメントでもありそうな話ではある。
最近の女子プロの上位者たちの体格はすばらしい。カイバが実になっている。
プロデビューした頃、投げるのが怖くて競馬の馬がしている耳あてをして投げたいと本気で思った事がある。
大会でスタートのずーっと前から、萎縮していたのだろう。2期生の高鳥澄枝プロから「私は、試合の前に“燃えろ!燃えろ!”と言っているのよ」と声をかけられた。プロボウラーを目指すキッカケになった、岡山の水島国際ボウリング会館の出身で、後輩になる亀井への気使いだったと思う。それから、その言葉はいつも心にある。
サラブレッドではなくても、駄馬でもデリケートで初々しい時期があるのです。
でも亀井は食べ過ぎて集中力がなくなった事はあっても、食が細くなることはない。燃え過ぎて空回りもある。やっぱり駄馬か。
この「亀井勝江のボウリング・あれもこれも」の第1稿は、2004年の2月号で、「あれもこれもハルウララ」と題して書いている。
なかなか勝てない牝馬で、勝てないことで注目され話題になったある種のスター馬だった。今どうしているだろう。そのハルウララ武豊騎手が乗ることになり、“とうとう勝つか”と言う記事に、ハルウララと重ねていた亀井は、「まだ勝たないでよ」と微妙な心情だった。あれから10年経つ。まだもがいている。やっぱり駄馬?でも駄馬は、もっと図太くなっていつか名馬になるかも。夢に向かってGO!だ。
皆様の新年の夢がかなえられますよう、心から祈っています。


2014年1月号

集中するって?

先月、大掃除ならぬ小掃除で見つけたプロに成り立てのジャパンオープンで、TV決勝に進出した折のVHSテープが補修されて帰ってきた。先月、デビュー当時のボウリングを見てがっくりきていたものの、決勝まで上り詰めたのだから、少しは良いところがあるかもと思っていたけど、良いなぁ。リリース時の手足のタイミングが良い。もっと良かったのは、ボールの通過点だけを見ていたこと。これは、巨人の元選手柳田氏のアドバイスだった。(2004年3月号”見つめ合う“に掲載)TVでは、3位決定戦と優勝決定戦の2ゲームしかないけれど、ここにくるまでずっとこの調子だった。レーンの変化が見えてその対応が出来、ラインがびしびしと決まっていったのを思い出した。そのうちに、カットラインぎりぎりで通過した予選で悩んでいたタイミングが、いつの間にか合ってきて勝ち上がって行った。それよりもっと驚いたのは、周りを見ていないのだ。当然相手の投球も見ていない。今この状況におかれたら、レーンを読むとか、ボールの選択をするだけではなくて、対戦プロへの羨望とかやっかみなどの雑念が渦巻くと思う。このVHSをみているとそれらが全く見えない。ライバルはレーンだと思い知らされた。
集中力というのはこの事かと、早速、翌日の愛媛県松山市で開催されたブランズウイックオープンでほかのプロがどうであれレーンだけに集中することをやってみた。簡単ではなかったけれど3ゲームまでは出来た。先日の広島オープンでも。やっぱり3ゲームまでしか出来なかった。軽口をたたいて口元が緩んだだけなのに。その後雑念がぞろぞろ。ほんの少しのきっかけで集中力が消えた。
週刊誌にゴルフの賞金ランキングトップを走る女子プロが2位に追い越されそうでピンチになっていると言う記事のなかで、「ゴルフは自分との戦いで、他人の影を感じるとミスが出る」とそのランキングトッププロへのベテランプロのコメントが載っていた。投球術にも関わる言葉と思うけど、亀なんざ、いつも「影」を感じている。
多分だけれど、初心の頃は周りを見る余裕がないから、「影」を感じないのかもしれない。
余裕が出来始めたらその「影」とどう付き合うか。
トッププロたちはどうしているのだろう。歯向うか、柳に風か・・・・。
ライバル・レーンとの戦いが8ゲームまで伸びますように。せめて6ゲーム!


2013年12月号

むかしのボウリングと家族を見た日

  ずっと気になっていた部屋の整理をした。大掃除をしなくても、一日に一箇所すれば良いとそれが家事のコツだと書いてある記事を見た。それなら出来ると始めたのだ。
まず、25年分のボウリングマガジンの整理からと、入っていたラックを取り除くと、その下の箱にVHSのテープが20本入っていた。去年、娘が結婚する時に渡そうと必死で探したのに出てこなかった物だ。それはホームテレビで放送された、「ママさんボウラー奮闘記」という30分の密着取材番組のテープ。プロになってすぐの朝6時30分から夜までの1日を追った取材だった。娘たちは小中学生で、その頃の写真はあっても動画はこれだけだったから本人の当時の姿を見せたかった。100本はゆうにあるテープの中で、取材、出演した番組だけを特別に保管したはずと探していたのだ。それが見つかった。それからは掃除そっちのけで、ちょうど帰省していた娘夫婦と“家族総出演”のテープを見た。
涙ぐむ娘を横に見ながら、プロボウラー亀井は家族の風景はさる事ながら、レッスン、チャレンジ、練習、トレーニング、それに家事といろいろ盛り込まれた映像のすべてが素朴さと一生懸命さであふれていて、見とれてしまった。
それより何より、投球術だ。なんとまぁ。
当時、トーナメントプロは150人くらい居てランキング27位だったから、それなりのボウリングのはずだと、それをもっと見たくて、ほかの取材テープも開けてみた。
ボウリングを変えたいと、フロリダのケーゲルトレーニングセンターへ行って今年で7年目になる。その視点から見ると、それこそ「何とまぁ」だ。右足の先から右手の先まで全身をビューっとまっすぐ伸ばしたフォロースルー。手早気味のタイミング。集中力と、新人が持っている勢い、それだけで、賞金を獲っていたのだろうとそういうボウリング。でもこの頃、このボウリングでジャパンオープンTV決勝まで勝ち進んでいるから、もっと優れたところがあったのだろうと、そのテープを見たかったけれど、残念な事に補修が必要で見ることが出来なかった。
これ以降、賞金が取れなくなって、ボウリングを変えていったのだった。残したテープはその変遷が良くわかる。大山由里香プロのように、プッシュアウエイを大きく上に上げている時期、4歩助走でありながら完全3歩もある。この時は、手遅れを体現したくて、練習していたのを思い出した。VHSの時代が過ぎて、CDになってもその後の変遷記録はもっと残っている。この頃から苦しんでいたんだと、涙が出た。
流れを見ていくと、賞金に届いていないけれど、ケーゲル以来の今のボウリングが一番良い。どこがって?何が良くて、何が足りなくて、何を足せば良いのか判るから。25年前この視点で検証出来ていればね。さて、あとは練習のみ。間に合えば良いけど。
良い秋の日でした。


2013年11月号

練習法もいろいろあるけど

 先日、タイトル保持者の男子プロの雑談話を聞く機会があった。
PBAを彷彿させる投法だから、以前から興味があったプロで、アメリカでコーチを受けてのあのボウリングと思っていた。ところが、自習だという。ボウリングに興味を持ったのは、たまたま家にあったテープで、PBAのモナチェリを見た時という。ジャパンカップが始まったのが1985年でモナチェリの優勝は1987年と1995年。その頃のテープかな。
興味があっても、すぐボウリング場に出かけたわけではないと。じーっとテープのモナチェリだけを見続けた期間数ヶ月。ようやくボウリング場で投げたくなった時、初めてボールを持ったという。
その練習法。1箇所だけを60ゲームは投げる。時間に換算すればおそらく6~7時間になると思う。次の日は、又違うところを。この方法で、ジャパンカップで好成績を残したモナチェリ風のスタイルになったと本人の弁。最近亀井もパーツパーツをテーマにして練習していたから、この方法は間違いではなかったとほんの一瞬思った。ただ、1時間、同じテーマを練習するというのがどんなに難しいか、10分でも難しいのに。「今日のテーマ」と書いたメモを作っていても、つい、ほかの事をしたくなってメモの意味がなくなるのだ。
プロになって11年目の彼は、今でもその練習法だという。ほかの事をしたいという誘惑に流されず、黙々と延々6時間投げると言うのだ。その成果は彼本人の昨年のランキングトップグループ入りという実績が実証している。
その話以来6時間は体力的に難しいと、せめて2時間同じテーマでと、練習をはじめたものの・・・。
アメリカのケーゲル・トレーニングセンターで、最終日にコーチのデル・ウォーレン氏から、亀井の練習ポイントとして5個の指摘と宿題があった。
「私を信じて練習しなさい。」「このうち1個でも出来ると、ほかの4個がすぐ出来るから」。2011年のこと。亀井のボウリングの方向はこれだと信じて練習しても、成績に反映しなくて、いつも心が折れそうになっていた。ところがそのトレーニングセンターで一緒だった男子プロが最近めきめきと実績を上げているのをTVで見た。亀井と同じテーマが出来ていた。話を聞いた。「時間がかかりましたよ」という。「コーチが言うように、1個出来たら前へすすめます」とプロ入り4年目の若いプロが言った。
今までの亀井の練習方法に間違いがあったのかもしれない。先の男子プロのような感性を持ち合わせていないから、全部真似する事は出来ないけれど、せめて、1個だけをしぶとく練習しよう。優秀で良いモデルが2人も居る。
この方法で練習をしたいボウラーへ。 
「ステップアップレッスン」で2時間じっくりと1個のテーマをいかが?
誘惑に負けて浮気心が出て来ないように、見ています。


2013年10月号

酷残暑 お見舞い

 暑い日が続きます。思考力がなくなりそう。
「体調が悪いんですか?」とボウラーに聞かれた。誰かが言っていたという。
「え、なんで?」なんでその質問?病気にしないでよ。と心の中でそらとぼけてみる。
本当のところは、ちょっと変かも。
朝6時50分に起きると、夜寝るまでの行動予定を考える。3匹の猫たちの食事とトイレの世話をして、手製のスムージー(なんでも入った野菜くだものジュース様)を作る。たっぷりの紅茶とパンと卵料理のメニューで、新聞とテレビを見ながらごはん。
パソコンチェック。こまごましたデスクワークと家事をする。ここまでは元気なのだ。午前中にしなければいけない外出があればその準備。シャワーを浴びて、お化粧をし、アイロンがけをする。大体、このあたりから、疲れてくる。一日の予定をこなすのが重荷になってきて、明日に延ばせるものは、簡単に予定の変更してしまい、今日は一日でれでれの日にしようと、「休養だ」と口実を作り出して家に引き返す。
これ、“引きこもり”の前触れ?やばいじゃないの、“うつ”かもと一人事を言いながら、テレビ番組を追っかけて一日を終わる。これが1回ではない。
やっぱり変か。
ただ、途中で引き返さずに、ボウリングセンターに行くと元気になるのだ。
“引きこもり”になりかけて気が付いた。
ボウリングが好きなのだ。ボウリングの文字が付いた仕事も、練習であれこれ考えるのも。成果が出なくて苦しいと言いながら、競技会に出るのはもっと好きなんだって。
日がな一日、猫との会話とテレビに向かって毒づくだけで過ごす・・・・。
運動もせず会話もしなかったら、認知症予備軍になると“コラム「亀井勝江のボウリング・あれもこれも」2008年11月号”に書いた事を思い出した
ほんと、ボウリングが好きでいて良かった。これで救われる。

この暑さで脳がふやけそうな亀井から、ボウリングを私よりもっと好きなボウラーの方々へ、残暑のお見舞いを申し上げます。
    
2013年9月号

松山英樹 と ルール

男子ゴルフ全英オープンの中継を見た。
その前の全米オープンはなんとなくやりづらそうで、それでも、パーで我慢しながら、10位というすごい成績だったから、全英オープン松山英樹を見たいと中継を見た。
ボギー、バーディー、イーグルとかのゴルフ用語がようやくわかり始めてスコアボードのパーの横線の連続は「スペア」の連続に見えて「我慢なんだ」と、ついボウリングのゲーム展開に置き変えてしまう。こんなメジャーな大会だと、1打差に10人くらいいるから1個のバーディーでごぼう抜き状態になる。
全英オープン松山英樹は、初日から、全米オープンでの様子と違って、堂々としていた。3日目、バーディーが続いて4位まで上がり、トップまでいくかもと思っていた矢先の17番で警告を受け、1罰打のペナルティーになったのだ。スロープレーだという。中継を見続けていて、松山がスローとは思えなかったけど。
その警告の後、ブッシュ?(背の高い草むら)へ2回続けて打ち込むという、素人の亀井でも判るくらいの動揺振りで結局11位。同組のワグナーの抗議と本人のこわばった表情も見ていたので、翌日の最終日はどうなるだろうと、中継を見た。いつものきっちりした目つきの堂々とした松山が居た。スコアを1つ伸ばして5人抜きの6位。メジャー大会2戦連続トップ10入りとは。あのブッシュ入り2打と1罰打がなければ、トップ争いの中に居たのにと思ったのは私だけではないはず。それにつけても、メディアも注目していたあのペナルティー騒動を乗り越えて巻き返した松山はすごすぎる。
21歳!
このスロープレイの禁止の規定は、ボウリングにもある。JBCは130条「スローボウリングの禁止」“前の競技者のボールがボールラックから戻ったときから、30秒以内に投球しなければならない”とある。ただこの条項は今のところ、指導要綱ではあるけれど、罰則はある。JPBAも使用する日本ボウリングルール(NBR)には、22条「遅延行為の禁止」“6フレーム以上の遅延が起きたとき”。罰則もある。
実を申せば、スローボウリングといわれると耳が痛いけれど、亀井はアドレスが長い。トップ10に入ってるかな。「立って何を考えてるんだ?」と言われても足が出ないのだ。アプローチに立つのは早いのに。イップス病?
最近は、タイミングの悩みが少し軽くなったので、ちょっと早いです。もし、松山のように、大会中、警告を受け、その後ずっと監視されたらどうなるだろう。
もしかしたら、早く動き始めようと思って、何も考えられずパーッと投げにゆきガタガタになるか、それとも未経験のリズムになって、良い方向へ行くか。どっちかな。
 
*  アドレス : アプローチに立ってボールを構え歩き始めるまでの総称
*  リネア24にも、LBR(リネア24・ボウリング・ルール)があります。NBRルールをベースにしたローカルルールで、リネア24では、こちらが優先です。


2013年8月号