プロボウラー亀井勝江のブログ

(公社)日本プロボウリング協会公認プロボウラー14期生・亀井勝江のブログです

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練習法もいろいろあるけど

 先日、タイトル保持者の男子プロの雑談話を聞く機会があった。
PBAを彷彿させる投法だから、以前から興味があったプロで、アメリカでコーチを受けてのあのボウリングと思っていた。ところが、自習だという。ボウリングに興味を持ったのは、たまたま家にあったテープで、PBAのモナチェリを見た時という。ジャパンカップが始まったのが1985年でモナチェリの優勝は1987年と1995年。その頃のテープかな。
興味があっても、すぐボウリング場に出かけたわけではないと。じーっとテープのモナチェリだけを見続けた期間数ヶ月。ようやくボウリング場で投げたくなった時、初めてボールを持ったという。
その練習法。1箇所だけを60ゲームは投げる。時間に換算すればおそらく6~7時間になると思う。次の日は、又違うところを。この方法で、ジャパンカップで好成績を残したモナチェリ風のスタイルになったと本人の弁。最近亀井もパーツパーツをテーマにして練習していたから、この方法は間違いではなかったとほんの一瞬思った。ただ、1時間、同じテーマを練習するというのがどんなに難しいか、10分でも難しいのに。「今日のテーマ」と書いたメモを作っていても、つい、ほかの事をしたくなってメモの意味がなくなるのだ。
プロになって11年目の彼は、今でもその練習法だという。ほかの事をしたいという誘惑に流されず、黙々と延々6時間投げると言うのだ。その成果は彼本人の昨年のランキングトップグループ入りという実績が実証している。
その話以来6時間は体力的に難しいと、せめて2時間同じテーマでと、練習をはじめたものの・・・。
アメリカのケーゲル・トレーニングセンターで、最終日にコーチのデル・ウォーレン氏から、亀井の練習ポイントとして5個の指摘と宿題があった。
「私を信じて練習しなさい。」「このうち1個でも出来ると、ほかの4個がすぐ出来るから」。2011年のこと。亀井のボウリングの方向はこれだと信じて練習しても、成績に反映しなくて、いつも心が折れそうになっていた。ところがそのトレーニングセンターで一緒だった男子プロが最近めきめきと実績を上げているのをTVで見た。亀井と同じテーマが出来ていた。話を聞いた。「時間がかかりましたよ」という。「コーチが言うように、1個出来たら前へすすめます」とプロ入り4年目の若いプロが言った。
今までの亀井の練習方法に間違いがあったのかもしれない。先の男子プロのような感性を持ち合わせていないから、全部真似する事は出来ないけれど、せめて、1個だけをしぶとく練習しよう。優秀で良いモデルが2人も居る。
この方法で練習をしたいボウラーへ。 
「ステップアップレッスン」で2時間じっくりと1個のテーマをいかが?
誘惑に負けて浮気心が出て来ないように、見ています。


2013年10月号