プロボウラー亀井勝江のブログ

(公社)日本プロボウリング協会公認プロボウラー14期生・亀井勝江のブログです

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一度くらい丁々発止をやってみる?

丁々発止・ようするにムカついた時、どうするかという事。今まで2回だけやってしまった。
数少ない女友達に、U子さんというママがいる。付き出しはカルビーだけという店ながら、スポーツがらみのお客さんが多くて、U子さんの気風の良さと会話が面白く街に飲みに出ると、店のすみに座っていつも笑っていた。ある日、私以外に一人しかお客が居ない日、その男がU子さんをいやその仕事をしている女性たちへの侮蔑の言葉をはいたのだ。怒りの持っていきどころがなくて、手元にあった袋で思わずテーブルをたたいてしまった。その男は、上場企業の係長だと名乗っていたけれど、数年前、その会社は大型倒産したと新聞で見た。
大体、こんなに怒り狂う方ではないから本当に反撃したかっただろうU子さんは、びっくりしてぽかんとしていた。その後どう治まったのか覚えていない。
もう一度は、銀行員だったはたちの頃、「デブ」と言った先輩の男子行員を屋上に呼び出して、その後、その言葉を一切言わせなかった。たしかに太ってはいたから事実なんだけれど。彼は紳士だった。
プロの中では、穏やかでやさしいと言われている。こんな風に怒りを表現したのはこの2回だけだからそう思われるのだろう。
本当は、喧嘩したくても、出来ないからそう誤解されているだけ。
怒りに震えたくなるような事がおきても、瞬間反応できないのだ。理不尽な相手でも、瑕つかせないように話せないかなど一瞬思ってしまって、そのチャンスを逃がすのがいつものことだし、本当は気が小さく、良い人ぶりのかっこつけているだけかも。
ずいぶん前に「アタマにくる一言へのとっさの対応術」(バルバラ・ベルクハン著)という本を買った。読んだものの実行出来ないで手元においているだけ。
犯罪心理が専門の亀井氏には「言いたい事を言った方が良い」といわれているけれど。なかなかね。
群馬でのトーナメントナメントで、車での移動の同乗者のなかに、新人プロがいた。関西出身のかわいらしいプロでその言葉使いは誰でも魅せられるはんなりとしていた。ところが、交差店への侵入を邪魔した車に彼女がどなったのだ。びっくりしたけれど、即「その言葉を教えて!」と頼んだ。はんなり言葉より、一言で威圧できる言葉のほうが、どんなに魅力的だったか。その約束は、彼女が結婚してトーナメントから一時遠ざかったので果たしてもらえなかった。
今でも、心底思う。その言葉をおぼえて使えたら、面白いのにと。
郷里の熊本弁にもあるはずだけれど、知らない。広島弁ではどう使う?
もう1回くらい、やってみたいなぁ。


2010年12月号