プロボウラー亀井勝江のブログ

(公社)日本プロボウリング協会公認プロボウラー14期生・亀井勝江のブログです

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反面教師 亀井 から

もうそろそろ、ボウリングの話を書いてよとボウラーに言われた。
この“あれもこれも”は“ボウリング”と頭に付いているので、いつもボウリングがらみの話ではあるけれど、ボウリングそのものには触れていないので、ボウリングの事をというご希望と想像はついた。
伝えたいことはある。でも、書けないのだ。最近の公式戦でもプロチャレンジでもスコアになっていないのに、説得力はないだろうと思えてしまう。
私のボウリングの考え方、投球方法を変えたいと思ってもう10年になる。
PBAメンバーの相田氏のボウリング解説の著書を見て面白いと思っていた矢先、広島に移住されると情報が入り、すぐレッスンを依頼したのが、10年前。その後ボールメーカーのトラック社の社長だったデル・ウォーレン氏のセミナーを受けて、もっと詳しかった投球理論が興味深く、ケーゲルトレーニングセンターのトップコーチに就任されたのを機に、4回、アメリカに通った。アメリカで5日間のレッスン漬けでも、広島に帰ればデジカメが頼りの一人だけの練習になる。ケーゲル方式(と私は言っている)をベースにしていろんな取り組みをしているのが、回り道になるのか少ししか変わらない。
こんな風だから書けない。ただ反面教師としては書ける。
亀井自身をケーゲル方式で見続けると、致命的な欠点があるのに愕然とする。
利き腕の反対、左手の使い方がまずい。一瞬遊ぶのだ。なかなか直せない。人間の体の適応力はすごいから、36年間ボウリングをするうちに、左手を使わなくても投げられる体、フォームになってしまっているらしい。左手が遊ぶトップボウラーはいない。教室で、無意識に左手が使えるまでしつっこく指摘し続けるのは、将来、亀井のように苦しまないようにと思うから。それから、けり足を深く折れない。これらは何をもたらすか。スピードが出せない。回転不足、安定しない。改善したくて必死で取り組んでいるんだけれど・・・・。
最大の欠点は、この取り組みを試合中にしてしまうこと。先日の宮崎オープンで、予選10ゲームで200アップしたらゲーム毎に褒章すると仲間が言う。ただし、アップしなかったら、逆に亀井のおごりになるとの事。結果、200アップが1個もなかった。10ゲーム目、1個だけでも200をと、スピードがなくても不細工な投げ方でも良いとなりふり構わずのボウリングで195。これをすべきだったのだ。いつも、投げ方、ライン、ボールの選択に気が行って、気が付けばロースコアの連発で予選落ち。思いがけない事に、なりふり構わずの10ゲーム目の終盤で練習をしていたボウリングが少し出来た事。これには驚いたのって。
過去のコーチたちに何度も指摘されていたように「試合で練習するな」。この事なんだろう。理解するのが遅い。おごるより褒章が欲しくてようやく体感するなんてね。                                   2013.5月号
2013年5月号