プロボウラー亀井勝江のブログ

(公社)日本プロボウリング協会公認プロボウラー14期生・亀井勝江のブログです

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目と腰とお尻と、1球入魂

最近、プロゴルフの試合番組を時々見ている。
初日から、最終日までのスコアメイクの過程も面白いけれど、スイングの時の体の使い方に目がいった。
特に興味深かったのが新人の松山英樹プロ。トップに振り上げる時の下半身と上半身の使い方、言い換えれば腰とお尻の方向付け、それにタイミング。際立った魅力があるのだ。それと、力配分。良いなぁ。インパクトの瞬間にブンどころかシャープな金属音が出ているように聞こえるのだ。それにもうひとつ、インパクトしたずっと後で、顔が起きる。ほかのプロより遅い。ゴルフ音痴の亀井が言うことだと許して欲しいけれどデビューして2戦目で優勝というのも、これで納得してしまった。
顔を残すと言うこと。
このコラム“あれもこれも”2004年3月号{見つめ合う}に、「ボールの通過点かラインを見るのでなく、凝視して」と書いたけれど、ボウリングもゴルフも同じかもしれないと思った。
このコラムには、1981年の第6回ジャパンオープンで、優勝決定戦まで上り詰め、負けて準優勝だったものの、プロになったばっかりの亀井にとって上出来だった理由は、この通過点の凝視だったと、お勧めメニューとして書いている。
もうひとつ、腰とお尻のこと。
ボウリングでスイングのトップにボールが行く時、一緒にそれが動いたらトップから降りてくるときスイングがぶれやすくなるのと、腰お尻を使うところがなくて、俗に言う腰が入らないって事になる。だからパワーが出にくいと思うのだ。松山プロの腰お尻はスイングのトップでカチッと止って良いなあ。あれをしたいのだ。ずっと取り組んでいるけどなかなか出来ない。と言いながら最近、時々お尻が逃げ過ぎなくなった。練習で出来ただけだけれどうれしい。これが出来ると、腰の利き腕側が下がってくるはず。そうなるとけり足、利き腕側の足がしっかり使えて力のあるボールが出てゆくはず。
随分前に、ゴルフ番組を見た時、1打で勝負をしなければいけないなんて、大変で怖いスポーツだなと。ボウリングは、1ゲームは最大で21打?投球が出来る。その21打で勝負するからその点楽だなんて思ったことがある。何とまぁ!
松山プロのゴルフをボーっと見ていて、ふとボウリングも1打1打をゴルフのように、勝負すれば良いかもと、山口での大会と午後亀コンペで“1打勝負風”をやってみました。何と何と、タイミングが勝手に合ってきたのだ。これが「1球入魂」の作業なんだと、プロボウラー稼業32年目で気が付きました。気付くのが遅いって!
でも、もしかしたら、間に合うかもです。 


2013年6月号